自動車のヘッドライトは、点灯すると電球が光り、電球から360度全方向に光を照射します。これだと提灯と同じで前だけを明るくしたいのに、横や後ろまで明るくなるため無駄が多いうえ、そのままで前方の照度を確保しようとするとものすごく明るいライトにする必要があります。自動車ではバッテリーという限られた電力で照明を点灯するため、効率よく前方を照らす方法として、ヘッドライトの中に反射鏡を取り付けて、そこに反射した光を前方に集中的に照らす方法を採用しました。この反射鏡のことを「リフレクター」と呼びます。
昔のヘッドライトはレンズがガラス製でしたので、反射鏡をパラボラアンテナのような球面で構成し、レンズにカットを入れて反射した光を錯乱させずに前方にのみ照射するようにしていましたが、最近では自動車全体の軽量化のためレンズをガラス製ではなくポリカーボネートという樹脂製にしてカットなしの透明レンズにしています。そのためレンズのカットの代わりに、反射鏡を球面ではなく異形カットにして、反射鏡自体に微妙な角度をつけることにより電球の光を前方にのみ照射できるように改良されています。
同時に反射鏡も昔は金属製でしたが、最近では軽量化のために樹脂にメッキしたものになっているため、ヘッドライトカスタムで高照度バルブなどに変更した場合、電球から生じる熱量が上がりすぎて、反射鏡が変形したり溶けたりすることがありますので、カスタムの際には注意が必要です。